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コンクリートカッターの替刃交換方法|安全に作業するための手順と注意点2025.07.20 新着情報

替刃交換の必要性と交換時期の目安

コンクリートカッターの替刃(ダイヤモンドブレード)は消耗品であり、適切なタイミングで交換しないと切断品質の低下や機械本体への悪影響、そして重大事故につながる可能性があります。替刃が摩耗していると切断速度が遅くなり、押し込み圧を無理に強めることでブレードに過負荷がかかり、セグメント剥離や割れ、最悪の場合は破断のリスクが高まります。またブレードの偏摩耗や取り付け不良は振動を発生させ、軸受やベアリングを早期に痛める原因にもなります。交換時期の目安は一概には言えませんが、日常点検で「切れ味の低下」「切断に要する時間の明らかな増加」「振動や異音の発生」「目視で見てセグメント高さが著しく低下している」「クラックや欠けが確認できる」といった兆候が見られたときは交換を検討するべきです。常にメーカーの交換基準やブレードの摩耗リミットに従うことを第一にし、使用状況(材料の硬さ、切断方法、湿式・乾式の違い)により寿命が大きく変わることを念頭に置いてください。定期的に記録をつけ、使用時間や作業内容と寿命の相関を把握しておくと交換の見通しが立ちやすくなります。

必要な工具と事前準備

替刃交換を安全に行うためには、事前準備が何より重要です。以下は一般的に必要な工具と準備項目です。機種によっては専用工具が必要な場合があるため、事前に取扱説明書を確認してください。

基本工具類

・適切なサイズのレンチまたはソケットレンチ一式(取り付けナットに合うもの)
・トルクレンチ(推奨。メーカー指定トルクがある場合は必ず使用する)
・ヘックスレンチやドライバー(カバーやガードの脱着用)
・柔らかい布・ブラシ(取り付け面やハブの清掃用)
・ファイルやスクレーパー(固着した汚れやコンクリート付着の除去用)
・保護手袋、保護メガネ、耳栓(PPE=個人防護具)
・支持ブロックやクランプ(ブレードを外したり取り付けたりする際の安全確保用)
・潤滑剤(メーカー指定のもの)および防錆スプレー(必要時)

事前準備の手順

1.手順書の確認:使用する機械の取扱説明書に記載された替刃交換手順と安全注意事項を熟読する。メーカー固有の注意点が最優先です。
2.作業エリア確保:平坦で安定した場所を選び、周囲に人が入らないように囲いをする。床面は滑りにくく、光の確保できる場所が望ましい。
3.機械の完全停止:電動式であれば電源プラグを抜き、電源ブレーカーを落とす。バッテリー式ならバッテリーを取り外す。エンジン式は燃料コックを閉め、点火キーを抜くなどして確実に始動できない状態にする。
4.冷却時間の確保:使用直後はブレードやハブが高温のため、十分な冷却時間を確保する。触れても安全な温度か必ず確認する。
5.清掃:ブレード周辺や取り付け面のコンクリート粉や泥、古いグリースをあらかじめ除去しておく。取り付け面が汚れていると振れや締め付け不良の原因になる。

電動式・エンジン式それぞれの交換手順

基本的な流れは共通しますが、動力源ごとに注意点が異なります。以下は一般的な順序と機種別の留意点です。必ず各機種のマニュアルの指示が最優先であることを再度強調します。

共通の基本交換手順(全機種共通)

1.完全停止とロックアウト:電源遮断、燃料遮断、バッテリー取り外しを行い、キーやプラグキャップを取り外すなど再始動不可状態にする。
2.保護カバーの取り外し:ブレードガードやカバーを外し、内部の状態を確認する。ボルトやネジは落とさないよう容器に保管する。
3.ブレードロック:回転軸が動かないように専用ロックピンや支持ブロックで固定する。手で無理に押さえるのは危険であり工具で確実にロックする。
4.ナットの緩め・取り外し:指定方向にレンチを用いて取り付けナットを緩めて外す。ナットの向きや取り付け方を写真やメモで記録しておくと組み戻し時に便利。
5.ブレードの取り外し:取り付け面の汚れや異物を確認しながらブレードを慎重に取り外す。大径ブレードは重量があるため二人以上で扱う。
6.取り付け面の清掃:ハブ面、バックプレート、シャフトの座面を布やブラシで清掃し、錆や汚れを完全に取り除く。
7.新しいブレードの装着:ブレードの回転方向表示や取り付け向きを確認し、ハブに正しく載せる。ブレードが干渉していないか位置を確認する。
8.ナットの仮締め→本締め:まず手で回せる程度に仮締めし、所定の順序で段階的に本締めを行う。トルクレンチがあればメーカー推奨トルクで最終締め付けを行う。
9.カバー類の復旧:保護カバーやガードを元に戻し、全ての固定ネジを点検する。
10.開放解除→低負荷試運転:ロックを解除し、低回転(低負荷)での空転試験を行い振れや異音がないか確認する。異常があれば即停止して点検。
11.実作業確認:問題がなければ通常負荷で短時間の確認作業を行い、温度上昇や振動、締め付けの緩みがないかを確認する。

電動式の特有の注意点

・感電防止:電源ケーブルの状態、プラグの接触不良、アース接続を事前に確認する。水洗いを伴う場合は必ず電源を切り、電気部に水が入らないよう養生してから清掃する。
・バッテリー管理:バッテリー式は交換前にバッテリーを確実に取り外し、端子のショート防止処置を行う。バッテリーや電気系は水や洗剤に弱いので清掃時の取り扱いに注意する。
・ブラシ・モーター側チェック:ブレード交換のついでにモーターのブラシやベアリングの状態を確認しておくと、不具合予防につながる。

エンジン式の特有の注意点

・燃料・オイルの処置:燃料コックを閉め、燃料漏れがないかを確認する。長時間の整備時は燃料を抜くことを検討する。オイルが汚れている場合は交換推奨。
・排気系の冷却:排気系統周辺の清掃は火傷防止のため完全冷却後に行う。排気ポートやマフラーのつまりが無いかも確認する。
・エンジン始動系の切断:整備中に誤って始動しないよう、火花プラグのキャップを外しておく、または点火回路を遮断するなどの措置を講じる。

ブレード取り付け時の注意点

取り付け時の小さなミスが重大な事故につながるため、以下のポイントは必ず守ってください。

回転方向とブレードの向き

ブレードには必ず回転方向の表示があるため、それに従って取り付ける。向きを逆に取り付けると切断効率が落ちるだけでなく、セグメントに不均一な力がかかり破損の原因となる。

ハブとブレードの適合性

ハブ径や取り付け穴の形式が合っているか確認する。アダプターを使用する場合はメーカー指定の純正アダプターを使用し、ガタや偏芯が発生しないようにする。代用品や加工品の使用は避ける。

取り付け面の平面性

ハブ面やブレードの取り付け座に曲がりや凹凸がないかを確認し、平面性を確保する。取り付け面が平滑でないと振れが発生し、切断中の偏心力で重大故障につながる。

固定パーツの確認

緩み止めワッシャー、スプリングワッシャーなど指定部品を必ず使用する。欠損部品で使用するとナットが緩みやすくなるため注意する。

締め付けトルクと安全確認の方法

締め付けトルクは安全上非常に重要ですが、その値はブレードサイズや機種、ナット形状により異なるため「必ずメーカー指定値を参照」する必要があります。ここではトルク管理と確認の考え方を示します。

トルク管理の基本

・トルクレンチを使用する:感覚や手締めでの締め付けは不十分または過剰になる恐れがあるため、可能な限りトルクレンチを使用する。
・段階的締め付け:一度に指定トルクまで締めるのではなく、仮締め→中間トルク→最終トルクの段階を踏む。これにより座面の嵌りが良くなる。
・トルクの再確認:交換直後の試運転後や数時間の運転後にナットの緩みがないか再確認する。熱膨張や振動で緩む場合があるため、運転後のチェックは安全対策として有効。

締め付け過多のリスク

過剰な締め付けはブレードやナットの損傷、座面の変形、ブレードの割れを誘発することがあるため注意が必要。トルク値は必ず指定範囲内で行う。

替刃交換後の試運転と確認事項

替刃交換後は必ず慎重に試運転を行い、異常の有無を確認してから本作業に移行します。

低速空転チェック

まずは低回転・無負荷で空転させ、振れ(フラッター)や異音、異常振動がないかを確認する。振れがある場合は即停止し原因を調査する。

低負荷での切断確認

短時間・浅めの切断で負荷をかけ、切断面や切断抵抗を確認する。ブレード取り付けの緩みや偏心、セグメントのはがれなどがないかを注意深く観察する。

再確認項目

・取り付けナットの緩み有無の最終確認。・ガード類が正しく装着されているか。・ウォーター供給や集じん装置の作動確認。・異臭や煙の発生がないか。問題があれば直ちに停止し点検する。

安全に作業するためのポイントまとめ

最後に、替刃交換を安全かつ確実に行うための最重要ポイントを簡潔にまとめます。これらを必ず守り、作業手順を現場のルールとして定着させてください。

最重要ポイント

1.取扱説明書優先:機種ごとのマニュアルに従うことが何より重要。一般論ではなくメーカー指定の指示を優先する。
2.電源・燃料の完全遮断:ロックアウト・タグアウトの実施を徹底し、誤始動を防止する。
3.冷却とPPE:十分に冷却してから作業し、保護手袋・保護メガネ・耳栓等を常に着用する。
4.トルク管理:トルクレンチで規定トルクを守る。段階的締め付けと再確認を行う。
5.ハブとブレードの適合:アダプターや変換部品は純正を使用し、偏芯やガタを避ける。
6.試運転の徹底:低速空転→低負荷切断→通常切断の順で安全確認を行う。
7.記録と管理:交換履歴、使用時間、摩耗状態を記録して次回交換の判断材料にする。
8.無理な再利用の禁止:割れや大きな欠損のあるブレードは再利用せず廃棄する。

付録:現場での運用改善のための実務的アドバイス

最後に、替刃交換作業の効率と安全性を高めるための現場運用上のヒントをいくつか挙げます。

予備ブレードと交換用キットの常備

頻繁に切断作業がある現場では、よく使うサイズの予備ブレードと交換用の工具キットを常備しておくとダウンタイムを短縮できます。予備は乾燥保管し、タグで購入日や型番を管理しておきます。

標準作業手順書(SOP)の整備

替刃交換のための標準作業手順書を作成し、写真やチェックリストを記入して現場の誰でも同じ手順で安全に交換できるようにします。教育・訓練の際には実地でのデモを行い、習熟度を確認してください。

定期的な技能チェックと監査

作業者の技能チェックと定期的な安全監査を実施し、ルールが守られているか、工具や防護具が適切に使われているかを確認することで重大事故を予防します。

廃棄ルールの明確化

摩耗済みや破損したブレードは安全に廃棄するためのルールを定めます。鋭利な部分は保護して梱包し、適切な廃棄ボックスに入れるなど二次被害を防ぐ手順を整備してください。

まとめ

コンクリートカッターの替刃交換は一見単純な作業に見えますが、安全管理、適正な工具使用、トルク管理、取り付け面の平面性確認、そして試運転による確認といった多くの要素が絡み合う重要な業務です。取扱説明書に従うことを第一とし、現場では必ず個人防護具を着用し、交換手順と点検をルーチン化してください。記録を残し、交換タイミングをデータで把握することで無駄なコストを削減し、安全で効率的な運用を実現できます。安全対策を怠らずに正しい手順で替刃交換を行い、作業の品質と現場の安全を確保してください。



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